2013年6月25日

おねだり上手

ただいま自然学習展示館では、チョウや蛾の幼虫、カエルなどを飼育展示中。


特に育ちざかりの幼虫たちは、毎朝エサやりと飼育ケースのお掃除が日課。

そして、幼虫のお世話をしていると決まってゴソゴソ動き出す子が…
幼虫のお隣さん、イシガメたちです。


今日はなんだか視線を感じるので覗いてみると…

「じーっ…」

わっ!見られてる…!



後ろの子も、めっちゃ見てる…。(笑)


朝はカメたちもご飯の時間。
お腹が空いていたようです。

とくに彼らが大好きなのが、このちっちゃい桜エビ。



「あーん」
手から食べますよー

展示館に来たすぐの時は、コソコソすぐ隠れてしまっていましたが、今ではこんなに仲良くなりました♪
時々間違えて指をかじられますが…。それも愛嬌。


口にエビの粉がついてますよ。



「おかわりー♪」

つぶらな目で見つめられると、ついついもっとあげたくなってしまいます。
とても可愛いですね。


しかし…
すこし悲しいのは、みんな冬眠している間に私のことを忘れてしまうこと。
冬眠あけは、コソコソ…。そんな所もまた可愛い。
出来れば起きた時も覚えててくれると嬉しいな☆

2013年6月19日

まゆごもり


5月から展示飼育しているヤママユ。
来たときは2センチくらいのちびっこだったのに、モリモリとごはん(コナラの葉っぱ)を食べてこんなに大きくなりました!


親指より太い。


すくすく育った幼虫は、もう繭づくりの季節。

飼育ケースを覗くと、ネットに糸を吐き始めていました。

11時。土台をつくっているのかな…



糸はキラキラと飴細工みたいです。



体をひねって糸をかけます。


13時 全身がすっぽり隠れました。なんだか窮屈そう。


17時 繭らしくなってきました。



そして次の日、ケースを覗くと…

完成した繭。柔らかな緑がきれい。




ヤママユの繭から取られる糸は天蚕糸(テンサンシ)と呼ばれる高級絹糸…
この美しい色艶に納得です。

展示館では次々と幼虫達がまゆごもり。
皆さんにも、まさにその時を見ていただけるかもしれません。

そして、もう一つの楽しみ、羽化。
シーズンは8月から9月。
無事、大きな羽を持つ美しい姿を見せてくれますように。

2013年6月13日

夜の森を探検!ナイトハイク&ホタル観察会

暗闇を飛びかうホタル…
夏の夜の風物詩ですね。

じつは県民の森にもホタルがいるのですが、発生状況が年ごとに違います。
今年はちょっと良さそう!ということで
緊急企画「ナイトハイク&ホタル観察会」を6/8に開催いたしました。


やっと薄暗くなりはじめた19時半。
まずはホタルについてお勉強です。




今日の主役はゲンジボタル。
日本のホタルの中でも大型の種類となり、光も大きいので見ごたえがあります。
沢山見てもらえますように☆

そして、ホタルが飛び始める8時に合わせて移動…
目的地の流れの広場までナイトハイク、みんなで夜の森を探検です!

闇夜もみんなで歩くと楽しい!

ちびっこ広場を抜けると、さっそくホタルがお出迎え♪
「わぁ」と歓声があがります。
目的地はまだまだ先だよ~ 

とんぼ池に近づくと、何やら大きな声が聞こえます。

「いたいた!」


声の主はウシガエル。
昼間は音に反応してすぐに水に飛び込んでしまい、なかなか姿を見ることができません。
その他にもモリアオガエルの卵など、カエルの観察ができました。


そして、流れの広場にある友情の池に到着。
池を囲むようにホタルの光が点滅します。

きれい~


やさしく手にのせて観察


ゲンジボタルの特徴は胸にある黒い十字。
ラテン語で“光る十字架”という意味の学名がついています。


ホタルは羽化して1週間から10日ほどの短い命。
わずかな水分しか口にせず、幼虫のときに蓄えた養分で生きています。

儚い命の光。
その命がつながっていくように、これからもホタルが生活する森を守っていきたいです。


2013年6月10日

ササユリの季節

さわやかな風が吹く森の中、園内のあちこちでササユリが咲いています。


白く透き通った清楚な姿は何株見ても飽きません。

昔はどこでも見られたというササユリ。
里山が手入れされなくなった今では、たくさんのササユリを見られる場所は限られてきています。

県民の森でもたくさんの株がつぼみをつけたのですが、シカに食べられたせいもあって花が咲いたのはそんなに多くありません。



それでも遊歩道を歩けば、突然ササやぶの中から花が顔を出したりしていて、あれ?こんなところにあったのかと花が咲いてから気づくことも。

ササユリというだけあって葉っぱは笹にそっくりなので、注意深く探さないと笹といっしょに刈り取ってしまいそうです。

太陽の丘のササユリは少しピンクがかかったかわいい感じ。


花のみごろはこれから標高の高い野鳥の森のほうへ移っていきます。
遊歩道で目にすることがあれば、初夏の里山を代表する姿と香りをぜひ楽しんでみてください。

2013年6月2日

標本教室


さて、引き続き午後は標本教室。

チョウを始めとした昆虫や植物などは、標本があって初めて証拠や資料となります。
今回は正しい標本の作り方と、なぜ標本が必要なのかについて先生からお話がありました。



まずは標本づくりの基本、展翅をマスターしましょう!


展翅は左右対称に留めていくのがポイント☆


最初はアゲハチョウの仲間など、大きなチョウから練習していくと良いとのこと。
先生がオオムラサキやアサギマダラなどを用意して下さいました。


そして、せっかくの機会。
自分で採集したチョウを標本にする子どもさんも。

こちらはチョウの観察会でつかまえたモンキアゲハ。



まずは胸のところにまっすぐにピンをさして…

真剣な表情。


展翅板に留めたら、今度は羽をそっと広げていきます。

まずは先生がコツを伝授。



破らないように気を付けて…


1つ出来上がると、2つ、3つとだんだん上達していく子どもたち。





親子で楽しそうに作業をする姿も見られました。



展翅ができあがると、もうひとつ大切なのはラベルをつけておくこと。
種名、日付、採集場所、採集者を忘れずに!


図鑑でチョウの種類を調べます。



お父さんお母さんが熱心に展翅をする姿も!とても印象的でした。

 
ご自身でつかまえたカラスアゲハを展翅中


お母さんかっこいいですね☆


子どもさんの作業を手伝ううちに楽しくなってしまったそう。

とてもお上手です。


小さくて難しいシジミチョウはお父さん作。

初めてとは思えません…



先生からはアサギマダラについて説明がありました。
アサギマダラは旅するチョウとして有名。その移動距離は二千キロ以上に及びます。


全国的にマーキングによる調査が行われており、もし羽に文字が書いてあるアサギマダラを見つけたら県民の森へ連絡してね!と先生。


実際に先生が見つけたマーキングされたチョウを見せて頂きました。

旅するチョウがどこからやってきたかを知ることが出来るなんて、夢がありますね。


標本と記念写真☆


チョウの観察会に標本教室と、盛りだくさんな一日。
子どもさんだけでなくご両親も一緒に、森でチョウを追いかけ、遊びながら学んで頂けたようで嬉しく思います。
先生方、皆さま、ありがとうございました。

チョウの観察会

ツツジ、サツキにウツギ…
5月に中旬からチョウの好きな花が満開を迎える季節。

それに合わせて、恒例のチョウの観察会、標本教室を開催しました。

講師には三重昆虫談話会から河本先生、東先生、そして井原先生をお招きし、まずは午前の部チョウの観察会のスタート。

今年もたくさんの方にお越しいただきました。


まずは採集の基本、虫取り網の使い方…
ということで、部屋に先生が捕まえたアサギマダラを放して実演。
チョウを傷つけない捕まえ方を教えて下さいました。


あみをくるっとまわして蓋をして…


上にのぼってくるところをやさしく捕まえます。


チョウの採集の仕方を習い、虫取り網を持って森へ出かけます。

ふれあいの館を出たところで、ピカピカ光っている虫を発見。
子どもたちが駆け寄ります。

県民の森でお馴染のオオセンチコガネでした。「きれいー」


そして、草笛広場にあるカシの木ではあるチョウの幼虫が成長中…
  
葉っぱの裏を探すと…


「あー!いたいた!」


虫の正体はムラサキシジミの幼虫。もともと南方系のこのチョウも、気候の変化などで北勢地域でも見られるようになりました。
なかなか見る機会の少ないチョウの幼虫たち。森の中では食草(幼虫が食べる植物)や育つ環境なども一緒に観察できて面白いですね。


さて、ここからは2チームに分かれて森の中でチョウ探し!

ツツジの広場と流れの広場の方面へ分かれます。

みんなでゆっくり、辺りをキョロキョロ。
チョウを探しながら遊歩道を歩きます。


ヒメウラナミジャノメを捕まえました。

ジャノメチョウの仲間は暗い所が好きなんだそう。
今日は曇っていたので、よく見られたチョウたちでした。


 ジャノメチョウと反対に明るい所が好きなのがアゲハチョウの仲間。
森の中でも開けた場所を通り道にするそう。

大きなモンキアゲハがいました☆

三角紙に包んで、羽が痛まないようにします。



ツツジの広場に到着!
でもお目当てのアゲハ類が少ないかな…



流れの広場ではお父さんが大物をゲット!
きれいな青緑に輝くカラスアゲハです。


芝生広場でみんなで追いかけて捕まえたツマグロヒョウモン。

ゴマダラチョウやコムラサキも飛んでいるのが見られましたが
なかなか捕まえるのは難しいですね~。


 そして、ふれあいの館に戻ると今日見られたチョウのまとめ。


モンキアゲハ、カラスアゲハ、クロヒカゲ、ルリシジミ、ムラサキシジミの幼虫などなど、約17種類のチョウを観察することができました。


今日採られた中で一番の成果はミスジチョウ。


県民の森ではコミスジはよく見かけるのですが、ミスジチョウの採取はなんと初記録!
観察会で見つけることが出来るなんて!

しっかりと記録に残しておくため、採集者には三角紙に日付と場所、名前をかいてもらいました。



風があり、曇がち…とチョウを観察するにはちょっと厳しいコンディションでしたが、子どもたちは夢中でチョウを追いかけ、楽しんで貰えた様子でした。

さあ午後からは、標本教室です!