9月に入り、だんだんと秋めいてきた園内。
朝夕は気温が下がり、吹く風もずいぶん涼しくなりましたね。
9月7日は、そんな秋の森を学びながら歩く「薬草観察会」を開催しました。
県民の森ではどんな薬草、薬木がみられるのでしょうか…
まずは教室で、民間薬と漢方薬の違いなどについて教えていただいた後は、実際に森を回って薬草・薬木を観察します。
では出発~と歩きだしたすぐに薬効のある植物が!
見つかったのはヌルデの虫コブ。
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この虫コブ、ヌルデシロアブラムシが寄生してできるそう。「これが薬草?」と思われるかもしれませんが、じつは平安時代から使われていたお歯黒の原料がこの虫コブなのです。
お歯黒は既婚女性の印としてだけでなく、歯槽膿漏や虫歯の予防でもあったそう。この固まりから歯が黒くできるなんて不思議です。
その後も…
ソメイヨシノ、イチョウ、フジ、クリ、ウメなどなど…会場の周辺だけでも次々に名前を聞くことができました。森の中へ行くと、もしや薬草だらけ!?期待は高なります。
大きくなっていた栗のイガ。栗は葉、樹皮、イガ、どれもかぶれに効くそう。
さて、流れの広場では秋の薬草を発見!
水路に生えていたのは可愛らしいゲンノショウコ。
小さいですがとても可愛らしい花ですね。
ゲンノショウコは整腸作用があり、今でもよく利用されている薬草の一つ。
漢字で書くと「現の証拠」説得力がある名です。
流れの広場周辺のでは、チドメグサ、オオバコ、ヤマノイモ、スイカズラ、ドクダミなどの草むらで見られる薬草が多く見られました。
帰り道は木々が茂る自然の森へ…
胆石を流してくれるシラカシ、外用薬に用いられるタブ、お茶でよく飲まれている柿など、あれもこれもと紹介される薬木。
そして、ここにも小さな秋を発見!
トチ餅やおせんべいに使われるトチの実です。
ピカピカだ~☆子供さんが喜んでいました。
森をたくさん歩いた後は、薬草茶を飲みながらまとめの時間。
カキの葉、アマドコロ、ハブ茶などがミックスされたお茶。とても飲みやすくて子供さんもおかわり!
日本で古くから民間薬として親しまれてきた薬草。身近な草木にこんなに効能があったなんて驚きました。
また、普段から薬草を育て、お茶にして飲まれている先生の体験談も貴重なお話でした。
参加して下さった皆様、倉本先生どうもありがとうございました。