2014年12月19日

森のきこり体験

11月30日、紅葉の県民の森では「森のきこり体験」が開催されました。

講師は県民の森でも森林整備をしてくださっている認定NPO法人「森林の風」の皆さんです。


まずは参加者の皆さんも装備を整えます。
ノコギリとヘルメットを装備して… 恰好がきまると気合が入りますね!



準備体操をして作業現場へ出発!
森の紅葉もちょうど見頃♪


現場では「森林の風」の清水さんから、里山を整備することの意味を教えてもらいました。


木が燃料として使われなくなった今、木や草が生え過ぎてヤブになってしまった森がたくさんあります。
そんな森の古い木や笹、ヤブを整備して、若々しい元気な森にするのが大切なんですね。



みんなで作業に入る前にデモンストレーション。
森林の風のベテランメンバー小坂さんが、大きなコナラの木をチェーンソーで切り倒すのを見せてくれました。


メリメリメリ、ズーーーン!!

と大迫力の伐倒に皆さん、拍手。

切り株の年輪を見てみます。
このコナラは何年生きてきたのかな?

小さい子も先生とのマンツーマンで教えてもらい、自分で木を切り倒します。

「まず、こちらに受け口を作って…」
と、先生の丁寧な指導に参加者の皆さんも真剣です。

倒した木は次に生える木の邪魔にならないようにちゃんと分解しましょう♪

作業していた1時間半はあっという間に過ぎ…
「もっとやりたい」という声も笑

こうして明るくなった森をバックにみんなで記念撮影です。

自分で倒した木をお土産に。素晴らしい!


ふれあいの館に戻ると、清水さんからナラ枯れ病のお話がありました。
森が年をとってしまうと、虫や病気に弱くなってしまうとのこと。
「里山」という森は人が手を入れてこそ、たくさんの生きものたちの住みかになるんですね。


最後に森林の風からのプレゼント、木の枝の知恵の輪です。

単純なようで、けっこう難しい!
みんなちゃんと解けたかな?

2014年12月18日

家族で楽しむ野鳥観察会

11月に入ると、長い旅を終えた冬鳥たちが県民の森で見られるようになります。
そんな冬鳥のシーズンに合わせ、三重県主催「家族で楽しむ野鳥観察会」を開催いたしました。



講師は三重県環境学習情報センターの木村さんと、海蔵川探検隊・うみくらの川瀬さん。
まずは、県の担当者の辻さんから観察会においての注意点などを伺います。


フィールドに出る前には野鳥観察の必須アイテム「双眼鏡」の使い方について木村先生より教えていただきました。

野鳥観察会で小さなお子さんの参加は難しい…という声を耳にすることがありますが、
今回の主役は子どもたち!
自分でしっかりピントを合わせ、準備を整えていました。


楽しみな森の散策の時間は、二つの班に分かれて出発!
ふれあいの館を出たところでは、さっそくメジロがお出迎え。

「チィ、チィ」おしゃべりなメジロさんは花の蜜が大好き。
この日もしきりにサザンカの花を訪れ、蜜をなめているようでした。


暖かなこの日。
紅葉が美しい遊歩道は、歩いているだけでも心地よく「きれいねぇ」と紅葉狩りをしながら、鳥の姿を探します。


また立ち止まってメジロを観察していると、ヤマガラ、シジュウカラの混群がやってきました。
他の野鳥に比べて人をあまり怖がらず、観察しやすいカラの仲間たち。
肉眼でも十分な距離で、ヤマガラがしばらくエサをさがしていました。



参加者の皆さんと一緒に森を歩くと、時間とともに鳥を見つけるのに慣れていく様子が分かります。
静かに、目や耳を集中させて鳥の気配を感じる…
そうして双眼鏡で姿を捉えられたときの喜びはひとしおです。
この日も最後にオレンジ色の羽が綺麗なジョウビタキの雄を双眼鏡で見ることができ、「見れた!」と嬉しそうな男の子の様子が印象的でした。



教室に戻ってからは野鳥についてお勉強。
今回見られた野鳥は冬鳥のジョウビタキ、エナガ、カワガラスなどなど  種類の野鳥を確認することができました。
そのほか、巣立ちビナや特定外来生物についてのお話もあり、私たちにとっても充実した学びの時間でした。
ぜひお家に帰ってから、今日の体験を皆さんで共有していただければ嬉しいです。





2014年11月27日

パステルアート体験

秋色の森でパステルアート体験♪
今回はメッセージカードをつくりました。

いつもお世話になっている、自然が大好きな吉岡幸子さんを講師に迎えパステルアートのスタート!


開始時間とともに続々とお客様が。
まずは葉っぱ・鳥・どんぐり・ハートの四種類の中から、好きな形のカードを三つ選んでもらいます。

先生の説明の後は好きな色のパステル選び。


色とりどりのパステル。
眺めているだけでわくわくしますね♪


レジャーシートを広げて、思い思いの場所でお絵かき開始!



黄色く色付いたイチョウの木の下が人気でした。


皆さんそれぞれに集中している表情や笑顔、くつろいでいる姿が見られ、森での時間を満喫していただいている様子でした。



型が一緒でも、色や指づかいで同じものはひとつとしてできないパステルアート。
素敵なメッセージカードが出来上がりました。
これからの季節、クリスマスカードとしてぜひ使ってくださいね♪

さて、今回はその作品の一部が森の図書館の中、アカシデの木に飾らせていただいています。


自然学習展示館にお越しの際は、ぜひ図書館を覗いてみてくださいね。
吉岡先生、スタッフの伊藤さん、参加者のみなさま、どうもありがとうございました。

コケの観察会

道ばたに、石垣に木々の合間に…家のまわりにも住んでいる、じつは身近な生きもの「こけ」
一見地味ですが、よく見ると可愛くてきれいなのです。

そんなコケの魅力を知る「コケ観察会」を、三重県総合博物館「みえむ」から学芸員の森田先生をお招きし、開催しました。

ふれあいの館を出発すると、さっそくトキワシノブゴケがお出迎え。
コケを観察するときはルーペが必須アイテム。
すこしつまんで、ルーペで覗いてみましょう。


乾燥して葉が巻いてしまっている時は、スプレーで水をシュッとひとふき。


植物と違い根を持たないコケは、葉っぱ全体から水分を吸収します。
みるみるうちに葉が開く~♪
実験みたいです!


またコケは“好きな場所”が決まっているものが多く、映えている環境も見分けのポイントとなるそう。


倒木が好きなコケ。
じつは左側がイトハイゴケ、右側がカガミゴケ。
二種の小さな違い、見過ごしてしまいそうですね!



ノートに並べてじっくり観察。
子供たちにも人気のコケたちでした。


約2時間の散策でおよそ25種を観察することができました。
小さな違いのひとつひとつ、ルーペで確認できるたびに「ほんとだー!」など感心する声が聞こえ、
皆さん楽しんでいただけた様子。
そして、森田先生のコケ愛の深さも感じることができました。

いつもは気づかない、足元に広がっている小さく美しい世界。
目を向けてみると、自分の世界も広がるように感じますね。
参加者のみなさま、森田先生、ありがとうございました。





2014年11月18日

子ども焼き物教室

11月の文化の日は、毎年恒例の子ども焼き物教室♪
今回は申込みをたくさんいただき、急遽午前・午後の二部制で開催しました。


講師は県民の森のご近所にある陶芸村 尾高創房村の黒石窯から榊原勇一さんをお迎えしました。
まずは先生から「ひもづくり」と「てびねり」という基本的な器の作り方を教えていただきました。
陶芸のコツを知ることができると、初めてでも安心ですね。



さっそく今日使う土が配られます。
まんまるの土を受け取ると「ひんやり!」「重たい~」などの感想と共に、こどもたちの嬉しそうな顔!
この土のかたまりがどんな作品に変わっていくのでしょう!?



マグカップ、お皿、お茶碗に置き物。
思い思いに土をこね、形にしていきます。


ささっと形をまとめていく方。じっくり細部までこだわる方。
何回もやり直して、納得する形を求めていく方。
どの人も真剣。かつ笑顔!


小さな子どもさんはお花のハンコで模様をつけるお手伝い。
お花畑みたいなお皿ができあがりましたね♪



できあがると、どれも個性が光る素敵な作品ばかり。
焼き上がりは1カ月後です!
完成が楽しみですね♪

榊原先生、参加者の皆さま、どうもありがとうございました。

2014年11月5日

秋の薬草観察会

身近にある草木の薬効について学ぶ、「秋の植物観察会」を開催しました。

春の回と同じく薬剤師の倉本先生を講師にお招きし、秋深まる森を歩きます。


 ふれあいの館のそばには黄色い花をつけたアキノキリンソウが。
園内では秋を代表する花ですが、のどの痛みに良いとのこと。

そして、このかたまり…


一見実のようですが、虫コブです。
ヌルデの葉にヌルデシロアブラムシが寄生することでこぶ状に変化。
この虫コブがお歯黒の原料でした。
ヌルデの木はたくさんあっても、虫コブがついているのはわずか。
参加者の皆さんも興味深そうに観察していました。

薬草の中には、今では貴重になってしまった植物もありました。
園内でも限られた場所にある「イチヤクソウ」
一つの薬草で多くの病に効くことから一薬草の名がついたそうです。


そして、植物観察会にも登場したオケラの根も貴重な生薬のひとつ。
オケラに限らず、今日本で使われる生薬のほとんどは中国からの輸入だそう。

開発や里山の放棄などで、環境の変化に弱い植物はどんどん少なくなっています。
昔も今も変わらずに植物の効能に助けられているわたしたち。
その環境をずっと守っていきたいですね。


さて、ふれあいの館にもどると、先生がご自宅で栽培している薬草を紹介していただきました。ハトムギ、メグスリノキ、早春に花を咲かせるセリバオウレンなどなど。


葉っぱのまん中に黒い実がちょこんとのっているハナイカダ。面白い植物ですね。

ハト麦などの薬草をお茶にして生活に取り入れているという先生。
今回は参加者の皆さんにも体験していただきましょう!

散策の時に紹介され、「いい香り~」とよろこばれたクロモジ。
今回は陰干ししたクロモジを細かくしてだしパックにつめ、入浴剤をつくりました。


ポキポキ、枝を折るごとに香りが出て教室がいいにおい。
クロモジは皮膚疾患に効果があるとか。
たくさん歩いて疲れた体を温めてくれることでしょう。

正しい知識を身に付け、自然の力を借りて生活がもっと楽しくなりますように♪
倉本先生、参加者の皆さまありがとうございました。



2014年10月30日

秋の植物観察会

秋の七草のようなメジャーなものだけではなく、一見地味な草花や木々でも、よ~く見ると奥深い世界が見えてくる…そんな秋の植物観察会を10月18日に開催しました。

講師は「三重自然誌の会」の市川先生です。

先生の植物に関する知識はすごい!
館を出てからすぐに、次から次へと目に入る植物を解説してくれます。

シライトソウのロゼットも発見!

見分けの難しい笹の仲間についても教えてくださいます。


秋は花を咲かせる植物も多いですが、なんといっても実りの秋。
これはガマズミの実。
食べられる、とのことでみなさん試食です。
「酸っぱい!」「でもおいし~」と五感を使って観察です。

園内に多いコウヤボウキとナガバノコウヤボウキの違いを解説。
ほんの少しの違いでも別種となる、草花の奥深き世界…。

コウヤボウキの花。うっすらピンクがかわいいですね♪

これもどこにでもある雑草、イヌタデ(左)とハナタデ(右)。
まず注目する人が少ないし、ぱっと見では同じ種類に見えますが…
茎や葉の細かい毛の生え方で見分けることができるのです!

まさに「雑草という名の植物は無い」との言葉通り、人間の目には入りづらくても、道ばたのあらゆる草花がそれぞれの個性を主張していることを思い知らされますね~。

今が盛りのノコンギク。


最後は太陽の丘で、絶滅危惧種のオケラの花を観察。
コウヤボウキと同じ仲間なので花の形もよく似ていますが、萼の部分のトゲトゲが個性的ですね。

草花観察というと、ついつい珍しい草花だけに目がいきがちですが、すぐ身近にある草花たちにもたくさんの魅力があります。
今回の秋の植物観察会が、そんなことを知ってもらうきっかけになれたら幸いです。